リハビリってどんなことをしているの?Vol.3

みんなの仕事

こんにちは。作業療法士の落合です。
私は東通村診療所併設の「介護老人保健施設のはなしょうぶ」で働いております。

前回の記事【 リハビリってどんなことをしているの?Vol.2 】(2023.9.8掲載)に引き続き、
リハビリに関わる専門職の作業療法士(OT:Occupational Therapist オキュペーショナルセラピスト)
ついて紹介していきたいと思います。

作業療法って?

作業療法『 作業 』とは、食べたり、歯を磨いたり、着替えたり、お風呂に入ったり、
料理をしたり、掃除をしたり、買い物したり、畑仕事をしたり、趣味活動をしたり…
日常生活に関わるすべての活動を意味します。

今まで当たり前のように行ってきた『 作業 』が病気やケガ等で困難になることがあります。
病気やケガの程度によって、元の状態にまで回復する人もいれば、回復が難しい場合も
あります。どのような状態になっても、生活を営んでいかなければなりません。

その人を取り巻く環境、その人が望む生活は一人一人違います。
その人が望む、その人らしい生活を送れるように作業療法士は支援します。
作業療法の対象は身体の障害だけでなく、こころの障害のある方も対象となります。

作業療法ってどんなことをしているの?

それではどのようなことをしているのか、食事動作を例に紹介したいと思います。

例えば、利き手(右手)が不自由になり、箸を上手く操作できなくなった時、どうしますか?
※今回は右手を利き手としてお話していきます。

①右手で箸を使用し食べる
②右手でスプーンやフォークで食べる
③左手で箸を使用し食べる
④左手でスプーンやフォークで食べる
⑤誰かに食べさせてもらう

「食べさせてもらうのもいいなぁ~」と思った方もいらっしゃるでしょうか?

食べることは楽しみの一つです。
普段何気なく食事をしているかと思いますが、私たちは好きなタイミングで食べたいものを
選んで口に運んでいます。もしも、誰かに食べさせてもらった場合を想像してみてください。

「あ~、お肉の次はお米が食べたかった~」
「今はみそ汁じゃなくて、野菜がよかったなぁ~」

…と思うかもしれません。少なくとも私はそう思います。
自分で食べるという行為はとても大事なのです!!

では、どうすれば自分で食べることが出来るか?と考えます。

まずは、右手の関節の動きに制限はないか?力はどの位あるか?滑らかに動かせるか?
細かく複雑な動きがどの位出来るのか?等の機能を評価します。
そして、どこまで回復しそうか(箸を使えそうか?スプーンやフォークを使った方がいいか?)
と考え、手指の機能訓練を行います。

箸なら塗り箸、割り箸、操作が比較的簡単な自助具の箸を使用するのか?
スプーンやフォークなら柄の太い物を使用するのか?など、その人にあった道具を選択します。

どうしても右手を実用的に使用することが難しい方もいます。
その場合は利き手交換訓練(利き手ではない手を実用的に使えるようにする)を行います。
つまり、左手で箸やスプーン、フォークなどを使って食べられるように練習するのです。

このように、作業療法士は一人一人の状態に合わせ機能回復の訓練をしたり、道具を
選択
したりと、自分で食べるという行為を習得できるように支援しています。


箸やスプーン(最近ではホームセンターや100均で買える物も増えました)

作業療法士より、ひとこと


青森県内には約1000人、下北には約30人の作業療法士が働いています。

東通村は?というと、「介護老人保健施設のはなしょうぶ」に2名です。
その為、作業療法に接する機会はまだまだ少なく、初めて聞いたという方もいらっしゃるのでは
ないかと思います。今回は作業療法のほんの一部分ですが紹介させていただきました。

作業療法を知っていただき、興味を持ってもらえれば幸いです。

(作業療法士:落合)

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