皆さん、こんにちは。
保健福祉センターでケアマネージャーをしている渡邊と申します。
私は30歳になる頃に「何かに挑戦したい!」と思い、ケアマネージャー(以下:ケアマネ)の
試験を受けて資格を取得しました。
もう15年も前のことだと思うと、自分でもびっくりします(笑)
今回は、仕事の内容を簡単に紹介し、普段どんなことを考えながら仕事をしているのかを
お伝えできればと思います。
しばし、お付き合いくださいませ。
・物忘れが心配…
・遠方に住む親の様子がなんだかおかしい…
・排泄を失敗することが多くなってきた… 等々
年齢とともに、自分自身や親、配偶者に関する心配事は増えるものです。
自分も親を介護する年齢になり、仕事との両立は正直しんどいことも出てきました。
この「しんどさ」を共有して、介護の相談相手となるのが、ケアマネです。
実際の相談は多岐にわたります。
直接的な介護の相談だけではなく、同居する家族のこと、住環境のこと、
経済的なこと等々、その方が暮らしている状況により相談内容も様々です。
ケアマネは、その相談内容を整理・分析し、介護保険サービスを調整するだけではなく、
公的なサービスや地域独自のサービス、家族が支援できることなどを段取りし、
『 確認 → 評価 → 計画 』のプロセスを繰り返していきます。
利用者さんがサービスを適切に受けられているかモニタリング中…(協力:訪問看護)
様々な相談の対応をしていると「ケアマネの職域はどこまでなのか」と悩むことがあるので、
その時は立ち止まって介護保険の基本理念の3つを再確認するようにしています。
「すべて利用者の言う通りにすれば良い」ということではありませんが、こちらの価値観を
押し付けるのも×。(こうすればもっとよくなるのに…)とケアマネが思っても、それを
利用者が望まなければ押し付けることはできません。
「利用者が大切にしていることを、ケアマネも大切にすること」だと、私は思っています。
ただ、これには難しい部分もあって、現在の利用者の生活状況がその方の
不利益になっている場合があります。
例えば、お風呂が嫌いで半年も入浴しない方がいたとします。
それが原因で皮膚の病気が治らない状況であれば、利用者の意向をすべて尊重することは
できません。そこには十分な話し合いが必要で、不利益な状況を解消できるよう利用者に
働きかけなければいけないこともあります。
このように、利用者本位にならないこともあるのが現状です。
本人が家で暮らしたいと希望しても、家族の状況等によってそれが叶わないこともあり、
ケアマネとしてジレンマを抱えるところではあります。
利用者さんが自分の子どものように大切にしているぬいぐるみ
日本国憲法には「人間は、すべて個人として尊重される」とあります。
童謡詩人であるの金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい」という言葉がありますが、
私なりの「個人の尊厳」の解釈も「みんなちがって、みんないい」だと思っています。
家庭が裕福で十分な教育を受けることができた方。
子守りや畑仕事などで学校に行けなかった方。
身を粉にして働き、地域のために尽くしてきた方。
病気がちであまり働けなかった方。
いろんな方に出会いました。
その人が年老いて昔の姿ではなくなったとしても、大切な人であることには変わりありません。
私自身も利用者の方のお話を聞いて「そんな生き方、考え方があるんだな」と
思えるようになりました。
ケアマネとして「『個人として守られるべきところ』を、守れる人でありたい」と思います。
この点について、私はいつも「『自立』って何だろう」と考えさせられます。
経済的な自立、精神的な自立、身体的な自立… 挙げればきりがないのです。
意識するのは「できないことを支援する」=「自分でできることは自分でする」という点です。
生活全般に介護が必要な方がいたとしても、自分で考えて、自分で決定できる能力があれば、
それは『 自立している 』といえるのです。
「どうしたら自立を支援できるか」「支援が手厚すぎないか」「支援が少なすぎないか」を
時には立ち止まって考え、自分の支援を冷静に振り返れるようにしていきたいです。
2025年には団塊の世代の生まれの方が、75歳以上の後期高齢者になります。
東通村も例外ではなく、実際に3年ほど前から介護の相談が増え始め、今年度は
4月~8月までで、過去一番の相談件数となっています。
私の思いは「元気な高齢者でいてほしい」それだけです。
「それだとケアマネの仕事がなくなるんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、元気な高齢者が多ければ、その方たちにも支援者になってもらって、
介護が必要な方を支えてもらうことができるんです。
私の仕事=ケアマネは、介護が必要な方の調整役です。
誰しも生きていれば、親の介護のこと、自分が病気をきっかけにして介護が必要になることも
ありますし、近隣の方、親戚の方が介護のことで困っていることもあると思います。
その時は、一人で悩まずに「躊躇なく」相談してほしいです。
かしこまらず、気軽に声をかけてくださると、私たちもうれしいです。
「 介護のことは、一人で悩まないで! 」
(ケアマネージャー:渡邊)
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