映画の話 part2

いろいろ

またまた映画の話です。
そんなにマニアックなわけではないと自分では思っていますが、「知らんがな」という映画を好きだ好きだと紹介しているコーナーです。

僕が大学生の頃、香港映画が大流行しました。その中心はウォン・カーウァイ監督で、代表作は『恋する惑星』(1994)。木村拓哉がでた『2046』(2004)なんてのもありました。『恋する惑星』が一番売れたのですが(テーマソングはみなさんん耳覚えはあるかと思います)、その前後で三部作になっていて、僕は一本目の『欲望の翼』(1990)が大好きで、三本目の『天使の涙』(1995)も名作です。金城武が、他の男に失恋して落ち込んでいる好きな女の子を乗せてバイクでトンネルを抜けて、スローモーションでカメラが夜明けのビル群にパンアップするラストシーン。

「か、かっこいい。。。」

と、思って、当時僕はテレビ番組作っていたのでなんとか真似しようかと思ったのですが、そんな都合のいい番組はありませんでした。

若くして亡くなってしまいましたが、僕は『欲望の翼』や『ブエノスアイレス』(1997)の主演のレスリー・チャンという俳優が大好きでした(周りの女の子たちはわかりやすいイケメンのトニー・レオン派ばっかりでしたが)。なんかだらしなくて、色っぽくて、謎めいてて。。。監督は違いますが、レスリー・チャンが戦争と文化大革命に翻弄される京劇のスターを演じた『さらば、わが愛』(1993)も名画です。僕は映画俳優がテレビの番宣に出て私生活喋りすぎるの嫌いなのですが、スターにはどこか謎の存在でいてほしいです。健さんとか寅さんみたいに。

同じ頃に注目されて、今や世界有数の監督になったのがクエンティン・タランティーノです。布袋寅泰のテーマ曲が印象的な『キル・ビル』(2003,2004)が一番有名でしょうか。衝撃的だったのは出世作の『パルプ・フィクション』(1994)と『レザボア・ドッグス』(1990)。「なんなんだこのストーリーの意味のなさは」という衝撃なのですが笑、今見ると、映画自体は面白いのですが、演出はもう、さほど新しいとも感じられない。スポーツでは一度獲得されたスピードは2度と遅くならない、なんて言いますが、映画もそうなのでしょう。ただ、タランティーノは大監督になっても割と初めの頃のいい感じを残していていて、アメリカの奴隷制度と西部劇がミックスされた『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)はとっても面白かったです。と言ってももう10年は経ちますが。

タランティーノが特徴的なのは、映画で使われた曲が必ず有名になることです。『レザボア・ドッグス』の「Little green bag」とか、『パルプ・フィクション』の「Misirlou」など、後で日本のバラエティで頻用されたり、ビールのCM曲になったりして「ああ、聞いた事ある」と思われると思います。『キル・ビル』のテーマは布袋寅泰が『新・仁義なき戦い』(2000)のテーマ曲として作ったものですが、タランティーノが気に入って「ぜひ使わせて欲しい」と頼んだところ、布袋が「それなら新しい曲作りますよ」と言ったそうですが、タランティーノは「あれがいいんだ、あれを使わせてほしい」と譲らなかったとのエピソードがあります。タランティーノが選ぶ曲はメジャーな曲ではないのですが、あとあと流行るということは、時代の雰囲気をつかまえているということに他ならないのかな、と思います。

次回はエヴァンゲリオンと宮崎駿について書こうと思います!

(医師:濱近草平)

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